お葬式
今日はお葬式に行って来た。昨晩はお通夜。
誰のかといえば会社の人。立場上は上司になるのか?この人Mさんとは平成5年ごろからの付き合いだからもう15年程になる。
その間部下になったことも有るけど、どちらかと言えば先輩と言うような存在だった。
なかなか頭の切れる人で発想も独特でいわゆる「仕事のデキル」部類の人だが、人を使うのは上手ではなかった。人の上に立てるようなタイプではなかった。
その人は数年前に以前所属していた部署から現場のほうに転属、その後私も現場に転属になったから上下関係はそこまでだった。
昨年秋に組織の大きな改変があってその人とは同じ部署になった。まあ私もよく知った人が上席に来たので安心していたが・・・・
以前のイメージからすっかりというか以前から言われていた悪い部分が目立つようになっていた。私は、変貌に理由があるのは理解できていたが余りの変貌ぶりに驚いたというよりあきれてしまった。かなりドン引きしてしまった。
仕事も滑りっぱなしでかなり浮いた存在にはなっていた。他の部門の人からもあまり知らない人は「なんだよ!」とか「最近変わったな~」と。以前から知る人は「悪いところが目立つなあ~。」と本人に叱咤激励をする人もこういう人たちが昨日今日と「こうなるなら、言わなければよかったと」口々に言っていた。私は死ぬこと前提での付き合いなんかしていなかったから心の底でそう思うところもあったけど今後も絶対に後悔はしない。そんな後悔をしたらその人にただ文句を言っていただけに成ってしまう。
ここのところ私も忙しく社内外を行ったりきたりで人事ではなかったからその人のことを全く気にしていなかった。
今週の月曜にMさんはかなり重要な会議を無断欠勤に近い形で欠席。周りからは大顰蹙の嵐わたしも後で聞いて「何やっているんだよ!」と思った。私はその日は午後から客先と打ち合わせで昼過ぎに出かけたため人を気にする余裕なんか全く無かった。
次の日火曜日は出社と当時に他の部門の人たちと打ち合わせ。結局自分の部署に顔を出せず仕舞い。私はその日は昼前に現場に出かけて会議。しかもその会議私らが主催で客先ばかりか関係するほかの会社も出席、Fさんと言う人と主席するのだけど二人して作成資料が間に合わず遅刻寸前。バタバタしながら会社を出た。会議終了後客先と打ち合わせをしようとしたけど結局出来なかった。客先から帰るときに部長に電話を入れたら会議中。Mさんも同席しているだろうからと思いその日は会話せず直接帰宅。
水曜日、この日は前日に客先と打ち合わせが出来なかったから、午後から急遽客先と打ち合わせで現場へ。出かける前に出張中の部長に電話。話が終わると部長がMさんに替わって欲しいと。Mさんに電話転送。電話には本人でなく女の子が出た。
「Mさんは?」
「水曜と木曜と休むそうです。」と返事。
なんか変な休み方だなあ~。休みと言うことを部長に報告、電話を切り他の人に「とうとうMさん切れたよ・・・週中にこんな休み方するか?」
水曜日は夕方帰社。会社に戻り久しぶりに自分の部署に戻りMさんの机の上をみるとかなり散らかっていた。なんか山積みになった書類の山がなんか腹立たしかった。
木曜日朝一番で出張中の部長に電話。
最後に部長から「M君もこれから病気がどうなるかわからないから・・・・」
変な事を言うな~と、電話を切った。
木曜は午後から天満の方の役所に書類を提出に外出。夜帰宅前に私は何故かMさんの机の上の書類を眺めていた。ふとわれに返ったとき、不思議と本人が死んでしまっているような無機質な感じがした。昨日の夜も同じ机を眺めているのになんか変だなーと思った。
金曜日に出張しているはずの部長が会社にいた。「変だなー?」と思っていたら
「Mさん死亡」の発表。
その前の日の不思議な感覚があったせいか驚かなかったむしろ「やっぱり、そうか」
何で死んだんだろう?ポックリ病か自殺。不思議と事故とは思わなかった。
昨日金曜日は仕事にならなかったがMさんがやりかけていた仕事を少し引き継いだ。Mさんが死んだとも知らず言いたいことを言っている相手もいたが・・・・・
午後に女性社員等から情報が入り始めた、結局は自殺だった。しかも車で排ガスを車に引き込んでのもので目張りとかもしっかりしていたらしい。
会社発表では25日水曜日死亡。正に変な休み方をした初日のことだった。
休みの連絡はずっと本人からと思っていたがどうも家族からのようだった。その後の私独自入手の情報をつなげると24日の夜から25日未明で事におよび、恐らく救出されるも25日昼過ぎから夕方に絶命。26日には警察が事情聴取に会社に来たらしい。26日午前中には知っている人は知っていたようである。
そして昨日のお通夜。本日の葬儀。なんか天井辺りから本人が式の様子を黙ってみているような気がして成らなかった。
お別れと言うことで本人とまず昨晩対面したが紫色になった顔と口元のあざが気になった。苦しそうな顔だった。今日も出棺前に参列者一同お別れと言うことで花を納棺。
「これで本当にお別れですね。」と顔を見たら半開きの口元、やっぱり苦しそうな、何かを言いたげな表情だった。しかしまるで蝋人形のようであった。
出棺のときお手伝いと言うことで棺を担がせていただいたがやっぱり重たかった。
人の命の重さであったのだろうけど・・・死んでも人はなお重いものなんだと思った。