日にちが替わってしまったので昨日の事になるが2月26日。2月26日と言えば歴史上大きな事件が何度か起きている。また有名人の誕生日でいうとケロッグの創始者ジョン・ケロッグさんやサザンの桑田さん、岡本太郎、竹下元首相などと芸術、政治家といろいろな人の誕生日。事件で日本で一番有名な事件はは1936年(昭和11年)の2・26事件。雪の降る日に、(今年は暖冬で小春日和。)当時の陸軍内部の派閥争いがこの事件を引き起こしているのだが、当時は今みたいにインターネットなんていうグローバルで手軽な情報入手経路が無いものだから、年寄りにそそのかされた若者が正義の一身で勝手に兵隊を動かして街場で大騒ぎ、大勢の人を殺しまくって結局は逮捕、今の成人式で暴れている現代の若者とはスケールが違う。まあこの犯人の若者に関しては美化するのが日本の風潮で正義に駆られた若者が腐った政治家を一刀両断に成敗した事になっているが殺された政治家は皆、穏健派で立派な人ばかり単に、若者をそそのかした年寄り連中の政敵であっただけ。その証拠に当時の昭和天皇が事件を知ると激怒して自らが軍を指揮して反乱者を成敗するとまで言い出す始末。今みたいに情報が乱れ飛ぶ世界では考えられない程偏った彼ら若者の考え方は可愛そうになる。で、死んだ政治家や護衛の警察官もかわいそうだけど悲惨なのが若者に指揮された兵隊さんたち。事件のあったその場では兵士に罪は無いとかでお咎めがなかったが結局は数ヵ月後にいきなり中国戦線に出征、みなさん最前線に出されて、しなくてもいい戦闘を強いられ、しかも突撃を繰り返し、反乱に参加した中心部隊は最終的には全滅したとのことらしい。戦闘で死んだ事にしているから文句も言えないけど実際には死刑になったのと同じ。兵隊なんて徴兵で集まっているわけで言ったらその辺にいる兄ちゃんの集団、馬鹿な士官が上司になったばかりに命を落とす始末になってしまった。本当に悲惨な話。昔の人は立派な人で今の若者はおかしなのが多いという人がいるけど、声を大にしていいたい。立派な人が多くいたとは思うけど、大馬鹿も沢山いた。
 高倉健主演の動乱という映画があるけどあれを見ると涙無しにはとてもじゃないけど見ていられない。2・26事件が物凄く必要に迫られて行われた事件の様に思えるがあれはあくまでも物語の世界。首謀した若者達の自己陶酔した目線の話。実際はさっきから言っているとおり、陸軍と言う腐った官僚組織の派閥争いが表面化し、偏った若者が年寄りにそそのかされて大騒ぎをして大きな社会問題を起こした。そしてその煽りで何百人もの人間の命がゴミのように扱われて千人近い人が悲しい思いをした。これが2・26事件の顛末と思う。
 こういう悲劇が起きた日の57年後1993年にはニューヨークの貿易センタービルで爆破事件が起きている。その後の9・11を予感させるアルカイダの攻撃らしいが自分達の組織の都合で人殺しを正当化してするのはやめてもらいたいものだと思う。昔読んだ小説で正義を背負った人間程たちの悪いものは居ない。正義と言う大儀で手加減を忘れてしまうからだ。と。正にそうだと思う。9・11で正義をかざしたテロで多くの人が犠牲になり、今度はそのテロをやめさせるという大儀でアメリカはイラクに攻め入って未だ戦争継続中。
 いつになったら正義が尽きるのか?物語の世界だけでおわりにしてもらいたいねえ。戦争は。
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